モロッコ旅行記(9・最終回)
2014年 02月 05日
バスに乗車して一路カサブランカへ。郊外に出るとマラケシュがアトラスの麓にあることが良く分かります。
新興住宅街も外壁はピンク色。
道路のロータリーのスペースにもナツメ椰子の畑が。
カサブランカ(白い家という意味)は人口400万人を超えるモロッコ最大の都市であると同時に、マグレブ諸国最大の経済都市でもあります。資源や農産物の輸出港としても大きな役割を果たしています。
12世紀にすでに貿易港として発展し、同時にイスラム化が始まります。15-16世紀にかけてポルトガルから占領を受けて街は破壊されますが、18世紀にアラウィー朝により再建されます。
1907年のフランス占領後はヨーロッパの影響を受け、急速に近代化の道を歩むことになります。
バスがカサブランカに近づくと景色が一変します。もうピンク色の建物は見られなくなります。
おそらく祖父と孫なのでしょう、肩車している男性の頭を幼児がピタピタ叩いている姿が微笑ましい。
街の中心部です。道行く人の服装が今までの都市とガラリと変わっていることが分かります。
「ムハンマド5世広場」には市庁舎、裁判所、中央郵便局や劇場など、市の中枢機関が集中しています。
広場の中心に噴水が。
カサブランカの市電。
バスを待つ人々で、特に女性の服装が年齢層によって異なっています。若い女性の場合、スカーフさえしてなければ非イスラム圏の国と変らない。
昼食のスープ、カレー風味でした。
メインは魚。
「ハッサン2世モスク」は1993年の完成したモロッコ最大、世界で5番目の大きさを誇るモスクで、敷地内に8万人が収容可能。
ハッサン2世の海の上にモスクをという願いから、大西洋に突き出た形にしています。
反対側から見ると海に浮かんでいるように見えます。
眼の前の海は大西洋。カサブランカに着いてから珍しい程の強い雨で、こんなドンヨリとした景色になってしまったのが残念。モロッコの人々にとっては恵みの雨でしょうが、観光客には涙雨。
観光の最後は路面電車に乗車しての市内見物。
左上の電光掲示板に行き先が表示されるのは便利ですが、読めない。
車内の様子。この路面電車はフランス製だそうですが、かなりのスピードが出ていました。乗降客がいないと駅を通過してしまいます。
駅のベンチで電車の到着を待つ人々。
この後はホテルで夕食、翌日は早朝5時に出発し、カサブランカ-パリ経由-成田には翌日の13時に帰着。
さてモロッコ観光の魅力ですが、一つは異国情緒が味わえること。フェズの迷路やマラケシュ「ジャマ」のお祭り騒ぎなどは他国では経験できないことでしょう。
もう一つは砂漠から雪のアトラス越え、ローマ遺跡やカスバ街道もあれば渓谷美も楽しめる、古都のフェズやメクネスから近代的なカサブランカまでの都市群と、巨大なアミューズメントパークのような趣きです。
しかし他の北アフリカ諸国と比べると、観光の目玉がない。エジプトの巨石文明、リビアのローマ遺跡、アルジェリアの岩絵といった決定打がないのが弱みです。この点はチュニジアに似ています。
「気軽にそこそこ楽しめる国」というのが私のモロッコに対する総評です。
「モロッコ旅行記」は今回で最終回です。最後までお付き合いして頂いた方に感謝します。