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地中海の光とサハラの風(4)

マルタを全世界に知らしめたのは、聖ヨハネ騎士団(後に聖マルタ騎士団)です。時は中世、十字軍の時代です。
ヨーロッパ世界は、7世紀ごろからアラブが進出して、イスラムの勢力が強大となります。9-10世紀には。キリスト教徒による聖地巡礼が盛んになり、その途上で病人となった人々を看護する施設が、建てられるようになります。ここに、当時の貴族の二、三男が、今でいう看護士となって、病人の看護をするようになります。しかし、そうした施設でさえ、敵に襲われることがありましたので、その看護士達は、次第に武装するようになります。これが騎士団の始まりです。
1096年に十字軍が結成され、1099年には聖地を奪還します。
13世紀に入ると、オスマントルコが進出してきて、ヨハネ騎士団はギプロス・ロードス島に渡り、更にそこを追われ、1530年このマルタにやってきます。
1565年、この地にオスマントルコが大軍を派遣してきますが、壮烈な攻防の末、ヨハネ騎士団は、オスマントルコを撃退します。
この戦いの教訓から、ヨハネ騎士団は、ヴァレッタに強固な要塞都市を築くのです。
海岸線を城壁で囲み、
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周囲を、幾重にも深い堀と高い城壁を巡らし、
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街の中は、縦横に整然と仕切られた道路を建設します。
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こうして、1798年に騎士団がマルタを去るまで、ヴァレッタは城砦都市として栄えます。
現在でも、騎士団長の宮殿を始め当時の建物の多くがそのまま残されていて、
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街全体が世界遺産に指定されています。

その後のマルタ騎士団ですが、1834年にローマに本部を置き、現在でも国土無き国家として、世界44カ国に大使館を置いているというのは、今回の旅行で初めて知りました。
by kanekatu | 2005-07-02 06:01 | マルタ

憂きな中にも旅の空


by kanekatu