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ミャンマー紀行’06 その11

ヤンゴンは三方を川に囲まれた町で、かつては貿易港として繁栄していました。中心部は賑やかなダウンタウン、北部は公園や湖が多く緑豊かで、他のアジア諸国の首都と比べても、とても落ち着いた雰囲気があります。
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ヤンゴン観光の中心はシュエダゴンパゴダです。
修験者として修行をつみ、菩提樹の下で悪い精霊神との戦いに勝ったゴータマ仏陀は、7つの地方で7日づつ49日間瞑想に耽り、最高の法悦の境に至ります。
ある日サンザシの樹下にいた時に、ヤマンヤ国から二人の兄弟がやってきてゴータマ仏陀に礼拝します。仏陀は二人に8本の聖髪を与え、兄弟はそれをモン族の王に届けます。
王はその聖髪を、既に過去仏となっていたカクタン仏陀、コーナゴーン仏陀、カタバ仏陀の遺髪と共に、シュエダゴンパゴダに納めました。紀元前585年のこととされています。
その後、何回も拡張工事が行われ、現在のパゴダの原型は15世紀半ばに、バゴーの女王シンソープによって完成されました。
高さは99.4m、基底部の周囲が433m、貼られている金箔数が8688枚、塔の最上部には76カラットのダイヤをはじめ5451個のダイヤ、1383個のルビー、その他多くの宝石や貴金属がちりばめられているという豪華さです。
全てお布施されたものであり、ミャンマー人の信仰の深さを示しています。
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パゴダの周囲を60を越える塔が囲んでいて、更にその外側に沢山の寺院が建造されています。
境内をブラリと1周するのに1時間は掛かります。
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1778年鋳造のマハガンタの釣り鐘の前で、オメカシした子ども達が記念写真を撮っていました。
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東西南北に4つの門があり、パゴダの周囲には8曜日に因んだ仏像が置かれています。
私たちが使っている7曜日のうち、水曜が午前と午後に分かれて、8曜日となります。
参拝に訪れた人々は、それぞれ自分の曜日の仏像を拝みます。
ですからどの仏像を拝んでいるかによって、その人の誕生曜日が分かる仕組みになっています。
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ミャンマーの人々は、この誕生の曜日がとても重要なのです。
先ず名前ですが、通常の苗字にあたる部分が無くファーストネームだけになります。その時に誕生曜日を必ず名前の中に入れるのだそうです。
例えば金曜日に生まれた人は、名前の中に“TH”又は“H”を入れることになり、“THIN(ティン)”や“HLA(ラー)”という名前になります。
星座は金星で、方角は北になりますので、パゴダの北側に守護神が祀られています。守護動物は“モグラ”、これはどうもトラや象、ライオンなどに比べると頼りない感じがします。
金曜日生まれの人の性格は“わがまま、話し好き”とありますので、少々難有りというところでしょうか。

金曜日生まれの結婚の相性ですが、火曜日生まれの人とはバッチリですが、月曜日生まれの人とは組合せが悪いので結婚しないほうが良い。付き合っていた彼女とパゴダでデイトした時、東側の仏像に手を合わせていたら、この人は月曜日生まれだから結婚は諦めるしかありません。
これは決して旧い迷信ではなく、今もそうして結婚相手を選んでいるそうですから、誕生曜日はその人の人生を決めることにもなります。
ミャンマーの理髪店は月曜日が定休日ですが、これは仏陀が出家して髪を切ったのが月曜日だったからだそうです。
このように誕生曜日は、ミャンマーの人々の生活の隅々まで入り込んでいます。

我々日本人は、ビルマといえば“竪琴”ですね。9世紀には演奏したという記録があるそうですから、古くからある楽器です。昔は3弦だったのがその後少しずつ数が増え、今では16弦が標準です。
演奏する音楽に合わせて、1本ずつ弦をチューニングするそうですから、かなり難しい楽器ですね。
“癒し系”の美しい音を響かせていました。
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by kanekatu | 2006-02-25 00:40 | ミャンマー

憂きな中にも旅の空


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