中国四川省(九寨溝、黄龍など)紀行 その4
2006年 10月 26日
九寨溝の主役である「水」は、一つの水源から流れてくる全く同じ水です。
それが周囲の景色、空の色、陽の傾きと反射、風、時間帯により、実に多彩な表情を見せてくれます。
今回紹介する樹正溝は、溝口からY字の付け根までの下流域一帯に湖沼が広がっている地帯です。
ここは標高が低く、渓谷もゆるやかなので、のんびり歩いて散策できるコースになっています。
先ず樹正群海。流れの止まった所に湖ができるという、林と大小の湖が折り重なるような光景を目にすることができます。
樹正瀑布。滝の高さ20m、幅50mですが、一気に落ちるのはなく、岩にぶつかりいくつもの流れに分かれながら落ちてくるのが特徴です。
火花海。朝夕に立ち込める霧に陽の光が反射すると、火花が散っているように見えるところから命名されましたが、この日は霧も出ず、穏やかな水面を見せていました。
臥龍海。湖底に龍が潜んでいるという伝説があるそうです。
老虎海。紅葉した木々が水に映ると虎の模様に似ているとも、虎がこの水を好み飲みに来るとも云われています。
同じ湖でも、場所によって水の色がこれほど違って見えます。
犀牛海。昔重い病気にかかったチベット僧が犀に乗ってここを訪れ、水を飲んだところたちまち病が癒えたので、そのまま犀と共に水中に入ったという言い伝えがあります。
神秘的な雰囲気が漂う湖です。
諾日朗瀑布。滝の高さは25mとさほど高くはないですが、幅が320mで中国最大の幅を誇る高山滝です。
滝壺から舞い上がる水しぶきで、辺り一帯が霧がかかったようになります。
「諾日朗」はチベット語で、「雄大で壮観」という意味だそうです。
ここまでで、九寨溝の3分の1です。