タイ旅行記 その10(最終回)
2007年 01月 19日
1767年から1782年の短い間ですが、タクシン王によりこの地に都が築かれました。トンブリー王国です。
ここに渡るにはボートに乗ります。船上からバンコクの中心部の超高層ビル街を見た映像です。
途中ボートに土産物や果物を積んだ物売りがやってきます。
短い時間の中で値段交渉しながら買い桃をするのも、楽しみの一つです。
川の両岸には民家が密集して建てられています。
川の中にまで大きくはみ出した家は違法建築ですが、この家屋一代限りは認められていますので、住民は修繕しながら大切に家を守っています。
この辺りは雨期になれば洪水を起こすので、どの家も高床式になっています。
【ワット・アルン(暁の寺)】
トンブリー王朝のタクシン王が、ここを王室寺院と定めました。
この寺は、三島由紀夫の小説「暁の寺」のモデルとなったため、日本人にはそちらの呼び名で通っています。
高くそびえる大仏塔がシンボルで、夕陽に浮かぶシルエットが特に美しいことで知られています。
周辺には4基の小塔が置かれ、内部に仏像が安置されています。
右側に見えるのが、本堂の屋根です。
塔の周りには、陶器を使った精密な装飾が施されています。
タクシン王の死後、1782年にチャクリー王朝が興り、その後タイ全体を統一し現在に至っています。
【王宮】
チャクリー王朝の歴代の王が住まいです。
いずれの建物も、白亜の壁に極彩色の屋根の対比が見事です。
ドゥシット・マハ・プラサートは、1789年ラーマ1世により建てられました。
中央奥に見えるのが、チャクリー・マハ・プラサートで、ラーマ5世によりチャクリー王朝100周年を記念して建てられたものです。
【ワット・プラケオ(エメラルド寺院)】
1782年に建立された王室寺院で、本堂に納められている仏像が翡翠で出来ていて、美しいエメラルド色を呈していることから、エメラルド寺院とよばれています。
このエメラルド寺院の象徴的存在といえるものが、黄金に輝く仏塔プラシーラタナ・チェディで、ラーマ4世により建造されました。仏塔の様式はセイロン様式です。
本堂の壁面には、仏典に基く極彩色の細密な壁画が一面に描かれています。
境内にはラーマ4世が目のあたりにして感動し作らせたという、カンボジアのアンコールワットの精密なミニチュアが置かれています。
今は破壊が進んでしまったアンコールワットの、往時の面影を伝える作品として貴重なものです。
プラモントップはタイ様式の建築物で、中央に突き出ている尖塔が特徴です。
内部には仏典の原本が保存されています。
【ワット・ポー】
高さ15m、長さ46mの黄金に輝く巨大な涅槃仏像が納められています。
余りに仏像が大きくて、写真に全体が入りません。
またこの寺は、タイ式マッサージの総本山としても知られています。
さて、今回のタイ5大王朝を巡る旅行記は、今回で最終回となります。
文化遺産に限れば、カンボジアのアンコール遺跡やミャンマーのバガン遺跡に比べ規模が劣りますが、見る食べる遊ぶという、観光の三大要素をバランス良く楽しめるという点からすれば、タイはアジアの中で最も面白い国と言えるでしょう。
また南部に沢山のリゾート地を抱えていることも、タイの強みです。
日本人でタイに観光に訪れる人は多く、今更タイ旅行記もないだろうと、今回の連載を最初は迷っておりました。
幸い予想以上に多くの方が閲覧されているようで、管理人としてこれに勝る喜びはありません。