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イエメンの砂漠に陽が落ちて(9)

世界遺産で有名なシバームは「砂漠のシバーム」と呼ばれていますが、もう一つ「山のシバーム」と称されている町があります。
こちらのシバームの特徴は、山の上にあるコウカバンという町と双子のような関係にあって、シバームは商業と農業の町、コウカバンはそのシバームを防衛する役割を負っていました。山頂と麓の町が、それぞれの役割を分担して共存するというのは、世界的にも珍しいことだと思われます。

私たちは最初に麓にあるシバームの町を散策しました。町の入り口にある広場には沢山の店が並び、人で賑わっていました。
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この町が現在のような町並になったのは10-11世紀です。古い歴史を持つグランドモスクのミナレットが、町のランドマークです。
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ちょうど礼拝の時間であったため、大勢の人々がモスクを訪れていました。
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上の町コウカバンは標高2800mの高地にあります。下の町シバームが敵に襲われないか常に監視し、もし敵を発見したらコウカバンの人たちが一気に山を駆けおり、シバームを守っていました。
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しかし1962年の革命以降、イマム派と共和国派との激しい戦闘がこの地で繰り広げられ、建物は破壊され、現在はすっかり過疎化が進んでしまいました。
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山頂から見下ろすと、一面の畑が広がっています。この辺り一帯が穀倉地帯であることが分かります。
手前に見えるのは、シバームの町です。
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少し山を下りた所から見たコウカバンの町です。
このまま放置していれば、やがては瓦礫の町に姿を変えることでしょう。修復、保存作業が急がれます。
それとコウカバンとシバームの歴史を振り返れば、世界遺産に登録できる資格は十分あると思われます。このまま朽ちさせておくのは、あまりに勿体ない。
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最後に訪れたスッラの町は、9-10世紀に建てられました。
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白く見える窓枠は、アラバスター(雪花石膏)が使われています。
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イエメンはどこに行っても子どもが多く、少子化で悩む私たち日本人から見れば、羨ましい限りです。
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一歩露地に入ると、まるで中世の町に紛れ込んだような気分になります。
この町では写真の女性のように頭に乗せて、今でもこうして水汲み場から水を自宅まで運んでいます。
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さて長かったイエメンの観光も今日でおしまいです。
明日はドバイに向かい、小休止して後に成田に戻ります。
次回は、ドバイです。
by kanekatu | 2008-02-28 11:00 | イエメン

憂きな中にも旅の空


by kanekatu