熱海「大観荘」に泊る

連載中のギリシャ(ギリシア)旅行記、まだまだ続きますが、ここで一息。この2-3年、遠出ができない妻のために、年に2-3回近場の温泉に行く事にしていますが、今年のお盆休みは熱海に、はり込んで老舗の大観荘に宿をとりました。

熱海へは我が家から2時間弱で着くのですが、泊りは初めてです。先代柳家三亀松の十八番に「新婚熱海の一夜」というネタがありましたが、私たちが所帯を持ったころは、既に熱海は新婚旅行のメッカではなかったし、会社の慰安旅行でも熱海に行こうという話は一度も出なかったですね。
戦後、人気ラジオ番組「日曜娯楽版」から生まれたヒット曲「僕は特急の機関士で」の二番では、こう唄われていました。
「熱海湯の町 恋の町
貫一お宮の 昔から
いとし恋しの 二人づれ
闇のトンネル 通りゃんせ」
しかし今や「貫一お宮」だの「金色夜叉」だの言っても、知らない人が殆んどでしょう。「こんじきやしゃ」を「きんいろよるまた」と読む人がいるくらいですから。
そんなわけで熱海は寂れる一方でしたが、ここ最近になって見直され、再び賑わいが戻ってきつつあるようです。

横山大観ゆかりの宿として知られる「大観荘」は、熱海でも有数の高級旅館です。今回某旅行社のキャンペーン価格で、手が届く宿泊費となりました。
旅館は熱海の山王山の高台に北向きに建てられているため、客室や露天風呂から相模湾が眺められます。
温泉は3ヶ所あり、いずれも露店風呂が付いています。
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大観荘の特長は、斜面に沿って造られた日本庭園です。
錦鯉の泳ぐ池があり、
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東屋があり、その裏には川が流れています。
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熱海の町の喧騒とは別世界です。
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松の巨木も植えられていて、散策していると涼風が通り抜けていきます。
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客室は広々としていますが、豪華さはありません。むしろ質素といえるでしょう。ただ、例えば床の間に置かれた花活けに旅館の風格を感じます。
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二間になっていて、片方には応接セットが置かれていますが、左隅に見えるマッサージ器がとても重宝しました。首から下肢までマッサージしてくれるので、湯上りの度に使っていました。
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この旅館の最大の長所はサービス面でしょう。
①全ての従業員が、いつ何処で出会っても笑顔で挨拶する。
②スペースの割に客室数が少ないので、とても静かだ。
③温泉の脱衣場にフェイスタオルとバスタオルが常備されていて、手ぶらで風呂に行ける。濡れたタオルを持ち運びする必要がない。
④脱衣場に冷たい麦茶が置かれているのは便利。ベビーサークルがあるのも、乳幼児連れの客には便利。
⑤夕食が終わると部屋にお茶と冷水のポットが置かれる。朝布団を上げる頃にお茶と梅干が運ばれる。食事の後にもお茶がくる。飲みたい時に暖かいお茶が飲めるのは良い。
⑥浴衣が二枚用意されていて、汗をかいたら取り替えられる。
などなど・・・、要は客が必要とするサービスが過不足無く提供されるので、大変心地よいわけです。過剰サービスが無いのも良い。

食事が旨いのも長所です。1日目は鮑づくし、2日目は懐石料理でしたが、いずれも結構でした。普通の旅館に比べ量はやや抑え気味(つまり丁度良い)ですが、一品一品丁寧に調理されています。
食器も凝っています。
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中でも美味しかったのは、鮑のしゃぶしゃぶです。刺身用の鮑をサッと湯に通し、ポン酢で頂くのですが、これが旨い。
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連泊の場合翌日の夕食は献立が変わりますが、鮑のしゃぶしゃぶだけ残してもらいました。メニューが付きますが、そうしたオプションも書き入れられていて親切です。
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世間には値段だけ高級な旅館や、老舗を売り物にしているのに従業員のマナーが悪い旅館が少なくありませんが、ここ大観荘はとても好感を持てました。

2日目午前中はMOA美術館を見学。
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特別展で能の面や衣装が展示されていて、見応えがありました。海が見える庭園が付設されていますが、これは片桐且元ゆかりの「片桐門」です。
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午後は熱海海岸のビーチ辺りをブラブラしましたが、海岸は若い人で埋め尽くされていました。名物の「お宮の松」ですが、今の人は「お宮」を知らないでしょうね。
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2泊3日、ノンビリと温泉に浸かってきました。

「神しろしめす国ギリシヤ」の連載、この先まだまだ続きます。
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by kanekatu | 2008-08-17 10:36 | 伊豆・箱根 | Comments(0)

憂きな中にも旅の空


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