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南米北部旅行記その13(最終回)

今回の旅の目的だった、ベネズエラでギアナ高地とエンジェルフォールを見て、パナマでは運河を見て、コロンビアでコーヒーを飲んで、エクアドルでバナナを食べる、という点では、完全に目標を達成しました。
旅の目玉であったギアナ高地とエンジェルフォールが、乾季の終わりという時期もあって水量が少なく、やや期待外れでした。
これからこの地方へのツアーを計画されている方は、旅行時期を選ぶことをお勧めします。
それとは反対に、余り期待していなかった他に国に感銘を受けました。
ただ船が通過するだけと思っていたパナマ運河が、あれほど難しい技術を駆使して運行しているとは、実物を見るまでは想像つきませんでした。
危ないと思っていたコロンビアは、一歩郊外に出ると、夏の北海道のような牧歌的な景色が続いていました。
エクアドルの首都キトは、まるで軽井沢にいるような爽やかな気候と、16世紀のスペイン統治時代の建物が残る旧市街の重厚な雰囲気に感動しました。

いつも思う事ですが、旅行というのは本当に良いものです。

今回廻った4ヶ国には共通点があります。
公用語がスペイン語であること。宗教がローマン・カソリックであること。そして国民の大半が混血であることです。
これらの特徴は、他の多くの中南米諸国にも共通しています。

経済が、アメリカ合衆国の強い影響下にあることも各国共通ですが、政権の対米国に対する基本姿勢は異なります。
パナマとコロンビアが親米路線であるのに対し、ベネズエラとエクアドルの政権は反米の姿勢を強く打ち出しています。
その中心は、ベネズエラのウーゴ・チャベス大統領です。
豊富な石油を背景にした資源外交で、世界に「反米の輪」を拡げようとして、米国を刺激しています。
国連総会で、イラク戦争を起こしたブッシュ大統領を、悪魔呼ばわりして物議をかもしたのは記憶に新しいところです。

一方エクアドルのラファエル・コレア大統領は今年1月に就任しましたが、先のチャベス演説について、「ブッシュを悪魔に比べるのは悪魔に失礼だ。悪魔は邪悪だが、少なくとも知性はある」との発言を行いました。
辛辣なユーモアがあり、私などその通りと拍手したくなります。
閣僚が「米国のイラク戦争は間違っていた。」と当然の発言をしただけで、アメリカまで行って謝罪と釈明までしてくる我が国政府と比べると、ある種の爽やかさを感じます。
現地の日本人の話では、コレア大統領の国民の貧しい層への救済措置、汚職腐敗の議員の追放といった施策は、概ね国民から歓迎されているそうです。

こうした潮流が、他の中南米諸国にも拡がってくのかどうかは、米国ならずとも大いに気になるところではあります。

今回のツアー中、唯一日本人旅行者と出合ったのは、エクアドルからの帰国便でした。
カップルで、新婚旅行にエクアドルに来ていたとのことです。男性の方が以前、海外青年協力隊の活動でエクアドルに滞在して以来、この国の魅力にとり付かれたのだそうです。
アトランタからの帰国便の機内では、私の隣に座った二人の女性はベルー人で、日本へ出稼ぎに来ている方々でした。
二人とも日本語は、日常会話はOKでしたので、ずっと日本での仕事のことや、ペルーに残した家族のことを話し込んでいて、お陰で成田までの15時間、殆ど退屈しないで過ごすことができました。

日本から見れば南米は地球の反対側であり、確かに移動時間は長いですが、実はとても近い国なのです。

今回で、この旅行記は終了します。
長時間お付き合い頂き、有難うございます。
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by kanekatu | 2007-05-14 23:41 | 南米 | Comments(3)

南米北部旅行記 その1

2007年3月13-27日、「南米北部4カ国周遊」のツアーに参加しました。
パナマ、ベネズエラ、コロンビア、エクアドルの4カ国です。
旅行社は「トラベル世界」、添乗員のYさんは名前が大陸といいますから、ご両親は先見の明があったんですね。参加者は15名でした。
今回の訪問国のうち特にコロンビアは、反政府ゲリラ組織と政府軍との武力衝突が繰り返され、外務省でも危険地域に指定しています。又麻薬の生産地帯としても知られていて、麻薬の利権にイデオロギーが絡んで複雑な様相を呈してきました。
昨年あたりからようやく治安が安定に向かいつつあることから、今回のツアーが企画され、私たちがその第一陣として出発したというわけです。

こうした国々へ出掛かるとなると、必ず家族から「そこは何があるの?」「何しに行くの?」という疑問が呈されます。
今回の出発直前に、コロンビアとエクアドルで日本人が事故死していたので、余計そう思うのでしょう。
私の場合、海外旅行の選択にあたっては、物心がついてから青春時代に至る時期の映画や音楽に影響されているようです。
“マリリン・モンロー”の映画でナイアガラへ、“第三の男”でウイーンへ、“モンパルナスの灯”でパリへ、“ニルスの不思議な旅”でスエーデンへ、“旅情”でベニスへ、“カスバの女”でアルジェリアへ、“イスタンブール”(ジャズ曲)でトルコへ、とまあこんな具合です。
アメリカへの憧れも、幼い頃に耳にしていたジャズの影響がありました。

では今回はというと、1957年「バナナボート」で大ブレークし、“カリプソ娘”の異名で活躍した歌手、浜村美智子が歌った「恋のヴェネズエラ」、これが最大の動機です。
それほどヒットした曲でもないし、知っている方は少ないでしょう。しかし哀愁を帯びた実にいいメロディで、大好きな曲でした。
うろ覚えですが、歌詞は大体次のようです。
♪真夏のヴェネズエラ 
 狂おしく燃える恋の太陽 情熱の嵐に
 若き身を焼く ヴェネズエラ
 君に抱かれて ヴェネズエラ♪
浜村美智子はモデル出身でスタイルが良く、ヴィジュアル系歌手のハシリでした。
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原曲は米国の歌手ハリー・ベラフォンテが歌ったもので、日本の歌詞とは異なります。こちらの歌詞はこうです。
 I met her in Venezuela with a basket on the head
 If she loved others she didn’t say
 But I knew she’d do pass away
 Pass away the time in Venezuela
南米で最も豊かな国であったベネズエラへの憧れを、女性への恋に託したものです。
ベラフォンテといえば、彼の大ヒット曲「マチルダ」は、こんな歌詞でした。
Matilda, she takes me money and run Venezuela
マチルダがオレの金持ってベネズエラにトンズラしちゃったよー、ですね。

こうした曲を聴きながら、きっとベネズエラという国は素晴らしい国なんだなと、ずっと憧れの気持ちを抱いてきました。
ベネズエラでギアナ高地とエンジェルフォールを見て、パナマでは運河を見て、コロンビアでコーヒーを飲んで、エクアドルでバナナを食べる、とまあこういう目論見で今回のツアーに参加したというわけです。

デルタ航空で成田を出発、12時間かけてアトランタ、3時間の乗り継ぎ時間をおいてパナマシティまで4時間、20時間近い長旅で最初の訪問国パナマに到着です。
飛行機は満席でしたが、運良く隣の席の人が、ブラジルのアマゾン地帯に向かう一人旅の若い日本人男性だったので話が弾み、それほど退屈せずに過ごしました。学生さんでしたが、初の個人旅行にブラジルのアマゾンとは、随分と思い切った計画です。
スケジュール通り、ともかく深夜にはパナマシティのホテルに着いたので、ホッと一安心です。
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by kanekatu | 2007-04-01 12:02 | 南米 | Comments(0)

憂きな中にも旅の空


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