カテゴリ:南部アフリカ( 1 )

南部アフリカ旅行記 その1

2007年6月12日から12日間、南部アフリカのツアーに参加しました。
今回のツアーは、ナミブ砂漠とビクトリアの滝を見るのが主な目的です。
南部アフリカ諸国の地図は下記の通りで、今回はこの内、南アフリカ(南ア)、ナミビア、ジンバブエ、ボツワナと、地図には載っていませんがジンバブエの北と国境を接するザンビアの5ヶ国に入国しました。
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私の旅は少年時代の記憶に結びつくことが多いのですが、今回のキーワードは「リビングストン」です。
私たちの子どもの頃は、「偉人の伝記」というのが、児童文学の一つのジャンルとして確立されていました。当時の代表的なスターは、白衣の天使ナイチンゲール、シュバイツアー博士、キューリー夫人、発明王エジソンなどです。
いつの時代でも英雄譚や偉人伝というには、少年たちの上昇志向を刺激するものです。

小学校の図書館でたまたま借りた本に、リビングストン(ディヴィッド・リヴィングストン)の伝記がありました。その本で初めてアフリカという地域を知り、その当時奴隷制度というものがあった事を知りました。
リビングストンは、19世紀に活躍した人で、本職は宣教師ですが、むしろ探検家として輝かしい業績を上げています。
ライオンに襲われ左腕に重傷を負ったり(この時の傷跡が遺体の本人確認の決め手となった)、妻を伝染病で失い、本人も何回も死にかける苦難にあいながら、アフリカの南北は赤道からケープタウンまで、東西はインド洋から大西洋までというから、ほぼアフリカ大陸全域を探検したことになります。

それまでのアフリカは「暗黒大陸」と称され、西欧の人々にとっていわばブラックボックスになっていました。もちろん15世紀末から始まった大航海時代には、アフリカ大陸自体の存在は認識されていましたが、その中味は文字通り「暗黒」でした。
ナントそれまでのアフリカに対する知識は、アレキサンダー大王時代の文書にまでさかのぼるのというのですから驚きです。
リビングストンは測量技術を持っていましたから、探検をしながらアフリカの地図を描いたのです。この結果西欧とアフリカとの交易は飛躍的に伸びます。

処が、当時はアフリカの先住民を捕らえて奴隷として先進国に送り出す、「奴隷狩り」が交易の中心となったため、リビングストンが作った地図により、奴隷狩りが一気に増えるという皮肉な結果になってしまいます。
宣教師だったリビングストンは、こうした奴隷狩りを止めさせようと必死に努力します。そのためにアフリカでの奴隷狩りと、それに伴う先住民への大量虐殺の実態を本にして告発します。
初めてこうした実態を知ることとなった西欧の人々は大きな衝撃を受け、これがやがて奴隷制度を廃止していくキッカケとなって行きます。

こうした功績により、現在でもリビングストンはアフリカの人々から敬愛され、多くの銅像や博物館が建てられています。
ザンビアにはリビングストンという名の都市もあります。
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余談ですが、かつては児童書の中心として、どんな小学校の図書館にも揃えてあった「偉人の伝記」は、昨今すっかり隅に追いやられているのではないでしょうか。
私たちの時代には、「ナイチンゲール」を読んで看護婦を目指す女の子や、「シュバイツアー」を読んで医者になろうとする男の子が、必ずクラスにいたものです。
子供の頃の読書の記憶というものは、心の中に深く根付きます。
「教育再生」というと、直ぐに倫理や道徳教育が声高に叫ばれますが、それよりも子供たちが夢を持てるような読書指導の方が大事だと思います。
もっとも、余り本を読んでいそうもない安倍首相じゃ、そういう発想は無理かな。

ここまで長々とリビングストンの物語を書いたのは、多くの日本人にとってのアフリカに対するイメージが、未だに暗黒大陸を引きずっていると思われるからです。
「アフリカなんてあれだろ、みんなで腰蓑着けて、ヤリ持って、太鼓叩いて踊ってるんだろ?」(そんなヤツおらんやろう!)なんて、時代錯誤なことをいう人さえいます。
昔ながらの生活様式を守って暮している人々もいますが、今では極めて少数です。

どうやら、昔読んだ本のこんな挿絵や
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ターザンもの映画のこんなシーン(映像は「ジャングルガール」より)
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からの影響で、アフリカ人=土人=野蛮人というイメージが定着しているのでしょう。いつも白人を捕まえては釜茹でにするといった、悪役でしたしね。
こうした既成概念というのは、恐ろしいもんです。

この旅行記を最後まで読んで頂ければ、きっとアフリカに対するイメージが変わると思います。
無論、ここで紹介するアフリカの姿は、一面をとらえているに過ぎません。
南アフリカは、アフリカじゃないよという人もいます。
北アフリカ諸国に行った時も、ここはアフリカじゃないという声がありました。
では、アフリカってどこにあるんでしょうね。

プロローグはこれくらいにして、次回から旅行記の本題に入ります。
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by kanekatu | 2007-07-01 08:47 | 南部アフリカ | Comments(2)

憂きな中にも旅の空


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