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パキスタン見聞録(14)ラホール博物館

パキスタンの旅もそろそろ終わりに近づいてきました。連載も今回を含めあと3回の予定です。
ラホール博物館は1864年に開館したパキスタン最古最大の博物館。ガンダーラ仏教美術のほか,インダス文明の遺物,バラモン,ジャイナ,イスラム,ヒンドゥー教の遺物,チベットとネパールの美術工芸品,現代の美術工芸品,現代史料,貨幣などを収蔵しています。
今回はガンダーラ美術を中心に見学しました。
建物の外観。
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ホール。
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展示品の紹介前にガンダーラ、ガンダーラ美術について、社会科の教科書に書かれている内容を引用します。
【ガンダーラ/ガンダーラ美術】
インドの西北、インダス川上流域にあるガンダーラ地方は、クシャーナ朝時代に仏教美術が栄える。一般にヘレニズムの影響を受けてここから仏像が出現したとされている。
【ガンダーラ地方】
ガンダーラ地方はインドの西北、インダス川の上流域のパンジャーブ地方に属する。現在は大部分がパキスタンの領土となっている。西にカイバル峠を経てアフガニスタンに通じ、東にはインドの中心部デリー、さらにガンジス川流域に通じる。南にはパンジャーブの肥沃な平原が広がり、さらに南下すればシンドの地となる。このようにガンダーラ地方は古来東西交通の要衝として重要な地域であり、さまざまな民族が興亡し、多くの文化の影響を受ける地域であった。アケメネス朝ペルシアの一州ともなったが、前4世紀にアレクサンドロス大王がペルシア帝国を滅ぼし、さらにこの地に侵入し、ギリシア文化(ヘレニズム)が伝えられることになった。紀元後1世紀にこの地のプルシャプラを都としてクシャーナ朝が成立し、カニシカ王が篤く仏教を保護したので、この地にヘレニズムと仏教が融合したガンダーラ美術が成立することとなった。
【ガンダーラ美術】
1世紀頃から3世紀頃にかけて、クシャーナ朝時代のインドの西北、ガンダーラ地方とタキシラで開花した仏教美術。本来仏教は偶像崇拝ではないので、ブッダを彫像で表すことはなかった。ところが、クシャーナ朝はイラン系の民族が造った王朝であり、バクトリアから起こった国であったのでヘレニズムの影響を受け、ギリシア彫刻を模して仏像を造るようになった。ガンダーラ仏はギリシア彫刻の影響を受けているが、4世紀のグプタ朝時代になると次第にヘレニズムの影響を脱して、インド独自の様式であるグプタ様式が成立する。
仏教は偶像崇拝を認めていなかったので仏像というのは元々なかったのです。それがヘレニズム(ギリシア文化)の影響でギリシア彫刻を模して仏像が造られるようになったのがガンダーラ美術ということです。
日本の仏教でいえば、仏像が無いというのは考えにくいわけですから、ガンダーラの影響大です。
最初に釈迦の誕生から入滅までを描いたレリーフが数点、展示されています。
摩耶夫人(マーヤー)の右の脇腹から仏陀が産まれる場面。
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修業する仏陀。
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瞑想する仏陀。
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悟りを開いた仏陀。
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仏陀の涅槃像。
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そしてこの博物館で最も有名な「釈迦苦行像」「断食仏陀」「断食するシッダルタ」(シクリ出土、制作は2~3世紀)です。
痩せ細った身体に浮きでた血管や骨が印象的です。 
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眼光鋭い表情から、並々ならぬ決意を感じます。頭髪や髭などの細かな細工に感心します。
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説教する仏陀。顔がヨーロッパ風です。
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菩薩像ですが、髭に逞しい身体と、私たちが描くイメージとはだいぶ違います。
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小さな仏像4体。衣の襞の曲線が美しい。
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仏教の悪神ですが、やはり欧風です。
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素焼きの仏頭。
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これは女神像。
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女性像。
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これからの6点は仏像とは無関係のようです。西洋美術を思わせる作品もありますね。
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ラホール博物館はガンダーラ美術関係だけの見学でしたが、見応えがありました。
ガンダーラ美術品に関してはペシャワールの博物館が最も充実しているそうですが、現在は行くことが出来ません。あの地域が一日も早く安全になるのを願うばかりです。


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by kanekatu | 2017-03-22 09:44 | パキスタン | Comments(2)

憂きな中にも旅の空


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