「チロル・ドロミテ・ザルツカンマングート」旅行記(2)

今回のツアーを選んだ理由はただ一つ、インスブルックの町を観たかったからです。
雑誌「世界」に「パリ通信」を掲載していた故・藤村信氏が、かつてヨーロパで最も美しい街はインスブルックだと書かれたのを読んで、是非一度行ってみたいと思っていました。
このツアーが
①宿泊ホテルが街の中心にあること。ツアーによっては郊外にホテルがとってあって、気軽に街中に出られないケースが結構ある。そういうツアーでは意味がない。
②インスブルックに連泊になっている。1泊だけだで深夜に到着、翌朝出発などというスケジュールだと、街を見て回ることができない。
という条件を満たしていたからです。
プラスして南チロルとザルツカンマングートの風景が観られるというのも、魅力でした。

今回訪れたオーストリアについて簡単に紹介します。
厳密にいえば一部ドイツやイタリアもコースに含まれていますが、いずれもオーストリア・アルプスの一部あるいは南チロル地方であり、オーストリア文化圏内とみなして良いでしょう。
正式国名はオーストリア共和国、面積はおよそ日本の北海道くらいの広さで、国土の3分の2は山岳地帯です。
日本人は何となく自分の国は小さいと思っている人が多いのですが、中欧諸国の中に入れば決して小国ではありません。
オーストリアは、頭が東、尻尾が西の、ちょうどオタマジャクシのような形をしていて、その尻尾の部分に今回訪れたチロル地方があり、目のあたりにウィーンが位置しています。
人工は約820万人でその9割がゲルマン系、といってもかなり混血は進んでいるわけですが。
EUができて往来が自由になったため、東欧や中東などから沢山の人が流入してきて、首都ウィーンの街中では特にトルコ人の多さが目に付きました。
公用語はドイツ語で、宗教は約8割がカトリックだそうです。

オーストリアといえば、どうしてもハプスブルク家に触れないわけにはいかないでしょう。
1273年、ルドルフ1世が神聖ローマ帝国の皇帝になってから、以来第一次世界大戦後の1918年に崩壊するまで、およそ650年間にわたり中央ヨーロッパを支配しました。
日が没することなき帝国を築いたのは武力ではなく、一族の子女を各国の王家と婚姻を結ぶことによって支配力を高めていったのが、ハプスブルク家の最大の特長です。
マクシミリアン1世の言葉をかりるなら、「汝幸あるオーストリアよ、結婚せよ」です。つまりベッドの上でつくり上げた帝国です。

中でも有名なのが18世紀に王朝を実質支配した大公女マリア・テレジア(女帝を呼ばれるが皇帝の奥方である)です。16人の子どもをもうけ、一族を繁栄させました。
大変だったのは夫のフランツ1世で、毎夜赤マムシやらスッポンのエキスを飲んで叱咤激励されたとか。スミマセン、ついついこのテの話が好きなものですから、脱線してしまいました。
下の写真は、ウィーン王宮のマリア・テレジア像です。
c0051938_9221249.jpg


美貌で名を馳せたのは事実上最後の皇帝といわれるフランツ・ヨーゼフ1世の皇妃エリーザベトです。
身長172cm、体重50kg、ウエスト50cmというのですから、今でいうスーパーモデル並のプロポーションだったんですね。しかもこの体形が生涯変らなかったそうで、まるで由美かおるですな。入浴シーンではさぞかし視聴率が跳ね上がったでしょう。
61歳で暗殺される悲劇の王妃でしたが、この皇帝夫妻時代にウィーンの文化が大きく花開き、その姿を今にとどめています。
下の写真は夕暮れの王宮です。
c0051938_9224544.jpg


ハプスブルク帝国解体後のオーストリアは、
1938年 ナチス・ドイツによる併合。
1945年 大戦終結と共にイギリス、フランス、アメリカ、ソ連4ヶ国による共同占領が行われる。映画「第三の男」に描かれた時代。
1955年 永世中立国宣言により主権を回復。
1995年 EU加盟
と目まぐるしく歴史が動きました。
オーストリアの国旗ですが、正式なものは下の画像の通りです。
c0051938_9231296.jpg


中央には黒鷲の国章が描かれていますが、頭上の冠は自治都市を、足先の鎌とハンマーは農民と労働者を、断ち切られた鎖はナチス・ドイツからの解放を、それぞれ表しているのだそうです。

次回からまた旅行記に戻ります。
[PR]
Commented by nikonfe at 2009-08-03 02:01 x
阿保と馬鹿が我が天下とばかりに跋扈してる日本を離れ、チロルに行ってたんですね・・・
さぞかし清々しい気分を満喫しての帰国でしょうが、国内を顧みればそんな気分も胡散霧消してないですか?
そんなぼやきは置いとくとして、記事と写真の掲載楽しみにしていますので・・・
Commented by kanekatu at 2009-08-03 09:28
nikonfe様
コメント有難うございます。
チロル地方は風光明媚で、山も3000m以下の高さで、素人はハイキングできる簡単なコースからロッククライミングの岩場まで、あらゆる人たちが楽しめる地域です。
氷河を水源とする水道水は美味しく、治安も良いので旅行には恰好の場所です。
たまにはこうした旅も良いものです。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by kanekatu | 2009-08-01 09:25 | オーストリア | Comments(2)

憂きな中にも旅の空


by kanekatu
プロフィールを見る