「チロル・ドロミテ・ザルツカンマングート」旅行記(9)
2009年 08月 25日
途中オーストリア・アルプス最高峰の「グロース・グロックナー」(標高3797m)を眺望し、ハルシュタット湖畔を散策しようというわけです。
午前中最初のトイレ休憩はリエンツ駅です。
オーストリアでは公共のトイレはチップが必要で、金額は25-50セント程度ですが、小さな硬貨を揃えておくのが手間です。この駅はドアにコインを投入しないと開きません。そのかわり一度開いたら、前の人が出たあとにドアを押さえてもらい次の人が入るようにすれば、2人目以下はタダで使えます。
でもなんかセコイなあー。
駅には売店があって、ベンチでコーヒーなどが飲めますので休憩には便利です。
下の写真の写っている「ポストバス」について説明します。
昔は郵袋をつんで街から街へ村から村へ郵便馬車が走っていました。当時の馬車は金色に塗られていたので、今のバスも車体が黄色です。
せっかく郵袋を運ぶのですから、同時に人間も運ぼうという発想から当時の人々の交通手段にもなっていました。
その伝統をそのまま受け継ぎ、郵便局と鉄道の駅とを結んでいるのが、この「ポストバス」です。
郵便局はどんな小さな町にも必ずありますから、庶民の足として有効利用されているのです。
日本では国鉄も郵政も民営化されてしまいましたが、オーストリアは逆にその国鉄と郵便が手を結んで国民の足を守っている。果たしてどちらが国民のためになっているのでしょうか、考えさせられますね。
途中ハイゲンブリュートの展望台から教会とバックのアルプスの写真を撮りましたが、この日は晴れてはいたのですが雲が多く、肝心の「グロース・グロックナー」は顔を見せません。
バスと徒歩で標高2369mのフランツ・ヨーゼフ・ヘーエ展望台へ。
ここでも3000m付近にかかった雲でやはり「グロース・グロックナー」を見ることができません。
ここからケーブルで下りて、東アルプス最大の厚さ300mと言われるパステルッツェ氷河を見学。
写真の右下に1985年の文字の看板が見えますが、1985年当時には氷河がこの位置にあったことを示しています。今はご覧のとおり遥か彼方に後退してしまい、地球温暖化によりこれだけの規模の氷河が消えてしまったわけです。
こうして目の当たりにすると、環境問題の深刻さを痛感します。
昼食はフリーでしたが、展望台のレストランで添乗員お勧めのソーセージとザウアークラウト、ポテトを肴にビールで乾杯。
展望台を後にして一路ホッホアルペン街道をまっしぐら。出口料金所近くに牧場があり、毛足の長い牛がのんびりと餌をはんでいました。
この後私たちは、ハルシュタット文明で名高いハルシュタットの町に向かいました。
紀元前1000-500年ごろにハルシュタット付近に眠る豊富な岩塩を求めて、ケルト民族がここ中欧に移動してきたハルシュタット時代がありました。
美しいハルシュタット湖の姿です。
湖畔の町の中心にあるマルクト広場です。
広場の周辺にはレストランがあり、家族連れがアイスクリームを食べていました。
長いバス移動のすえ、ザルツカンマーグート地方の町の一つバートイシェルに到着。
今夜はホテル「ゴルデネスシフ」に宿泊。
ここでは日本人旅行者には会わないと思っていたら、他に2組の日本人ツアーグループが一緒となりました。
夕食のメインは牛肉の煮込みとフェトチーネです。それにビールとワイン。
この後希望者は近くの温泉に繰り出したようですが、私は街の中を散歩して就寝。