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西欧への旅(3)

パリは大半の人が共同住宅住まいですが、最上階の住人は殆ど学生で、標準的な部屋の広さは畳み3枚分、トイレは共用、風呂無しで、パリ市内にはけっこう共同浴場があるそうです。
日本でこんな劣悪なアパート暮らししている学生など、今は皆無でしょう。

ドイツは、人も車も一日の稼動時間や連続走行時間が制限されています。観光中もしょっちゅう運転手が変わったり、バスが変わったり、時には観光に支障になることもありました。
日曜日は商店も全て休業です。これも確かに不便でした。
しかし良く考えて見れば、働く人の健康や安全を最優先にして、休日は家庭で両親が子供と一緒に過す事を尊重するならば、当然の事なのです。
フランスは週35時間労働が法律で義務付けられています。夏休みは35日間、これも法律で決められています。
要は人間はなんの為に生き、なんのために働くのか、という人生観、生活観に行き着くのです。

ここ十数年国際化、国際化の名の下に、日本全体が必死にひた走ってきました。でもその行き着く先はどうだったんでしょうか。
働く人々の権利と、ゆとりのある生活が保障され、生活の利便性より、文化の伝統を重んじ、質素ではあるが、精神的に豊かな生活を過ごすというここにもう一つの”国際化”がある事を忘れてはならないでしょう。

写真は、セーヌ河より見たパリの街
西欧への旅(3)_c0051938_9262594.jpg

by kanekatu | 2005-05-25 09:28 | 西欧

憂きな中にも旅の空


by kanekatu