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地中海の光とサハラの風(7)

今回のツアーでは、概して観光地が空いていて、日本人グループ(なぜか、海外では顔を合わせたくない)も少なかったのですが、1ヶ所だけナンデ?、と思うくらい混んでいる場所がありました。チュニスのバルドー美術館です。通勤電車みたいでした。
ここは、タイルモザイクのコレクションで、世界的に有名な美術館です。チュニジア各時代の作品が展示されていました。作品の質は、BC3世紀頃のカルタゴ時代のものが最も精巧で、
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ローマ時代以後は、むしろ技術が低下している様子が分かります。

チュニスから少し東側の地中海寄りに、カルタゴがあります。かつては地中海を制覇していたフェニキア人の街で、勇将ハンニバルの活躍は映画などでお馴染みです。
処が、カルタゴ遺跡はやや貧弱です。隣にある、ローマ時代の共同浴場遺跡の方が、遥かに立派なのです。
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実は、現在のカルタゴは、最高級リゾート地となっていて、外国人の別荘や政府高官の住宅が、立ち並んでいます。現在のチュニジアの給料は5万円程度だそうですが、この辺りの高級住宅は2億円もするそうです。この住宅地を掘り返せば、間違いなくカルタゴ時代の素晴らしい遺跡が出てくる、分かっているけど、出来ない。これが実情なのです。そのため遺跡は中途半端(私と一緒で)です。
この中途半端さは、チュニジアを巡って、あらゆる所で感じます。
日本人観光客の評判がイマイチなのは、この辺りに原因があるのでしょう。

チュニジアは、面積は小さいのですが、地中海の海岸線が長い、現在この海岸線に沿って、北部からリビア国境近くまで、リゾート開発が進められています。
ヨーロッパから沢山の観光客が訪れていて、ビキニの腰に布を巻いて、遺跡観光する女性(WOW !)に出会うこともあります。
写真は、代表的なリゾートであるシディブサイド。全ての建物の外装が、白とチュニジアンブルーで統一された街の建物の彼方に、海と空とが溶け合っていました。
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by kanekatu | 2005-07-09 07:05 | チュニジア

憂きな中にも旅の空


by kanekatu