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イスラエル紀行その5

ここで、十戒後のモーセとその一行の、その後を追ってみましょう。40年という歳月を費やし、ようやく死海の東岸に辿り着くのですが、カナンの地を目前にしてモーセは、ネボ山で高齢のため世を去ります。
「後は頼んだぞ。」「ヨッシア!」というわけで、弟子のヨシュアがリーダーを受け継ぎ、カナンの城塞都市エリコを攻め落とし、パレスチナ全域を支配することになります。これが有名な「エリコ(ジェリコ)の戦い」です。
エリコは紀元前7800年ごろに街が作られた世界最古の都市として、標高マイナス350mで世界で最も低地の街としても有名ですが、現在は危険地帯に指定されていて、残念ながら見学が出来ません。

その後のパレスチナは、12の国に分割されますが、相変わらず先住民族であるペリシテ人からの侵略に苦しみます。
その頃エルサレム近くの、ベツレヘムという寒村に生まれたダビデという少年が、ペリシテ人の隊長で巨人のゴリアテを倒し、ペリシテ人を一掃して、12の国を統一し、イスラエル王国を築きます。ですから今でもダビデは、イスラエル国家の「星」となっているのです。
その子ソロモンは、エルサレムに神殿を建設し、この頃がイスラエル王国の最盛期となります。
その後、イスラエル王国は南北に分裂し、南の国はユダ王国と呼ばれ、エルサレムの神殿を守ります。ここから「ユダヤ」という呼び方が生まれます。
北の王国は、やがてアッシリアに滅ぼされ混血が進みます。
一方ユダ王国は、バビロニアに破れ、奴隷としてバビロニアに連れてゆかれ、辛酸をなめることになります。これが、「バビロンの捕囚」ですね。
しかし彼らは純血を守り抜きますので、この人たちがユダヤ人と呼ばれることになります。

そのダビデの子孫として、救世主イエス・キリストが誕生するのは、あと数百年を待たねばなりません。

イスラエル旅行とは、直接関係が無い話ですが、今日のイスラエル問題、パレスチナとの紛争の背景を考える上で、頭に入れておいた方が良いと思い、少し脱線しました。

旅行の話に戻って、今度はシナイ半島から死海に向かい、再びイスラエルに再入国します。
途中エジプトのヌエバという町で昼食をとりますが、この辺りは珊瑚礁の海岸として有名なリゾート地で、美しい紅海の景色が見られます。
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死海の南部にソドム山があります。創世記に書かれている、有名な「ソドムとゴモラ」に因んだ地です。
頽廃と不道徳に満ちたソドムとゴモラの街を滅ぼす決心をした神は、ロト一家だけは助けようとします。
「明日、ソドムとゴモラは滅ぶ。急いで逃げよ。逃げる途中、決して後ろを振り返ってはならない」と告げ、ロト一家は同地を脱出します。ソドムとゴモラは硫黄の炎によって滅ぼされますが、逃げる道中、後ろを振り返ってしまったロトの妻は、塩の柱にされてしまいます。
これがロトの妻の塩柱です。
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この辺りは、地質が全て岩塩であり、草1本生えていない場所ですので、伝説のソドムの街とされたのでしょう。

バスは死海南端のリゾート、エンボケックに到着、ここで泊まりとなりました。
by kanekatu | 2005-09-15 00:38 | イスラエル

憂きな中にも旅の空


by kanekatu