憧れのレバノン・3(レバノン杉)
2018年 04月 13日
ブシャーレからバスでさらに5㎞ほど上ると、レバノン杉が自生する神の杉の森に到着しました。
世界遺産に登録されています。
レバノン杉は、紀元前にフェニキア人の繁栄の原点になったことでも有名です。フェニキア人は、当時レバノン山脈全域に自生していたレバノン杉からガレー船を始め、船舶の建造材として使用し、地中海貿易を制覇していました。
レバノンの沿岸部各地にフェニキア時代の遺跡が数多く残るのは、そのためです。
また、木材やレバノン杉からとった樹脂をエジプトなどに輸出していました。
旧約聖書によればソロモン王の宮殿内部はレバノン杉で装飾されていたとあり、建材としても広く使われていたことが分かります。
レバノン国の象徴として、国旗中央にレバノン杉が描かれています。
しかしレバノン杉は長年の伐採がたたり、2004年現在は1200本程度が残るだけになってしまいました。まだ樹齢1200年以上のものが、400本ほど残っています。
現在はレバノン杉を保護すると同時に植樹を行い、その中心がこの杉の森です。
聖アントニオス(アントニウス、アントニヌス、アントニー)は251年にエジプトに生まれ、キリスト教の聖人です。。
様々な苦行を通して聖人にまで達するんですが、苦行中に悪魔が現れたり、豊満な女性の幻覚を見せたり、暴力で恐喝したりと何とか彼を堕落させようとしますが、アントニオスは悪魔に屈せずにキリストを信じ、人々に信仰を伝え続けたと言われています。
このエピソードは「アントニウスの誘惑」という題材で多くの画家が描いています。
その一つは、ロヴィス・コリント作の下の絵画です。ヒェーと頭を抱えて悲鳴を上げている様子です。
崖の中腹にある小さな洞窟は、修道僧が神と出会う場所です。
それまでは手書きだった聖書は、印刷機の登場で一気に大衆の間に拡がるのです。