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「ここは地の果て」アルジェリア紀行その6

サハラ砂漠での昼食は、トゥアレグ族のテントの中でとりました。
生野菜と羊の焼肉(タレを掛けながら数時間かけて焼き上げるそうで、これがなかなか美味!)、それにクスクスです。予想以上に豪華で、美味しかった。
皆さん、砂が沢山混じった料理を、しつこい蝿を手で追い払いながら食べていました。
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昼食後は、午後3時までテントで昼寝となりましたが、いかに陽が遮られていても、気温は30度をゆうに越していますので、そうそう眠れるものじゃない。結局おしゃべりをして、時間を過ごしました。
さて3時になって出発と思ったら、4DWがいない。運転手はどこに行ったのか、いつ戻るのか分らない。
答えは「インシャラー」。
アルジェリアでは、こんなことの繰り返しです。

考えてみれば、サハラの中と私達の生活とでは、時間に対する観念が違うのでしょう。時間の流れ方が違うと言った方が正確でしょうか。
午後3時だって、時計の針が3時を指しているのではなく、太陽の傾き方で判断しているのかも知れません。
日本だって江戸時代、1ッ時は2時間でしたから、時間の感覚が今の私達とは全く異なっていたと思われます。「暮れ六つに会おうじゃねえか」と約束したって、当時は±1時間程度の幅があったんでしょうね。
こうしたことを想像できるのも、海外旅行の楽しみの一つではあります。

翌日は、朝ジャネットを出発し、夜にはワーグラーに着く移動日でした。
そして朝集合すると、又しても4WDが揃っていない。今度はジャネットの街全体にガソリンが来なくって、給油ができないとの説明です。この国には石油は売るほどあるんだろうと、文句を言っても始まらない。
隣町まで行けば、ガソリンがあるかもしれないし、とにかく行ける所まで行こうと、文字通りの見切り発車です。
見通しは、無論「インシャラー」。
ここから先は、ガソリンスタンドを見つけるたびに立ち寄り、やっぱり無いの繰り返しをしながら、出発後6時間後にようやくガソリンが手に入りました。
運転手と現地ガイドが喜んで抱き合っていましたから、かなり間一髪だったのでしょう。私達も日干しにならずに済みました。

午後4時にはイリーズイの空港に到着して、やれやれ搭乗手続きと思ったら、入国申請書を出せという要求がありました。結局空港係官と現地ガイドの交渉が行われ、不要との結論になりました。
国内便に搭乗するのですから、全く無意味な要求ですが、しかし係官がどうしてもという場合は、書類を出さなくてはいけないそうです。
ここで西田さんの、もう一つのスローガンです。
「長いものには巻かれろ」。
アルジェリアでは、いかに理不尽と思えても、御上に逆らってはいけないという教訓です。

かくして、珍しく定刻に出発した飛行機はワーグラーに到着、その地で宿泊となりました。

アルジェリアのホテル事情は、かなり悪いと言えるでしょう。
私自身は、過去40カ国中ダントツのワーストでした。他に100カ国を超えるような旅の経験をした方に伺うと、「もっとひどい国もあったよ」との感想でした。推して知るべしというところでしょうか。
シーツとタオルが洗濯してあり、ドアに鍵がかかり、シャワーから水が出て、トイレの水が流れ、部屋の電気が点く、これが全部揃っていれば、立派な合格ラインです。

今回宿泊のホテルは、最低でも2つ星の筈でしたが、実力はマイナス一つ星で、中にはマイナス5つ星のホテルも。
具体的に列記すると、
・室内にスズメバチのような大きな蜂が2匹いて、追い払おうとして逆に襲われ、逃げ回っているうちに、ドアの金具で受傷した人がいた。
・排水が詰まっていて、バスタブに入っていたら、いきなり汚水が逆流してきたという人がいた。
・部屋に入って先ずやることはゴキブリ退治。小さなヤツは叩き潰し、大きなヤツは追い出す。
・部屋の隅に水溜りがあるのは、不快。
・部屋を掃除した様子がない。
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・クローゼットの中が黒かびで覆われていて、カビの刺激臭で目や頭が痛くなった。これが一番キツカッタ。
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などなど、言い出したらきりがありません。

それでも、サハラや後ほど記事にするカスバの魅力には代えられません。
by kanekatu | 2006-05-29 09:29 | アルジェリア

憂きな中にも旅の空


by kanekatu