イエメンの砂漠に陽が落ちて(5)

この日は早朝3時45分にホテル出発、午前3時のモーニングコールで寝入りばなを起こされたという人もいました。午前6時発の飛行機になぜこんな早起きしていくかというと、イエメンの国内航空はオーバーブッキングが多く、搭乗券を持っていても飛行機に乗れないケースがあるとか。そのため空港に着いて直ぐに出発ゲートに行き、出口付近に待機し場所取りが必要なのです。つまり早い者勝ちの世界です。お陰で全員搭乗できて、驚いたことにイエメン航空は定時にアデンを出発しました。

今まではイエメンの南西部を周遊していたのですが、これからイエメン東部の砂漠地方に向かいます。機上から眼下を見ると、ヘラで横にスパッと切ったようなテーブルマウンテンが続いているのが見えます。とてもシンプルなサユーン空港に到着。幸い今夜宿泊するホテル「アルハウタ・パレス」の部屋が空いていたのでチェックインし、朝食をとりました。
サユーン郊外にあるアルハウタは周辺に緑が多く、気温が低く快適な町です。
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先ず日干しレンガ工場を見学。工場といっても建屋も屋根もなく、野天で作業していました。
粘土と藁と水を混ぜて練り、木の型枠で型どリして天日乾燥すれば出来上がり。写真は作業員たちが麦踏のように踏んで歩いて、乾燥が終わっているかどうかチェックしているところです。つまり品質管理と出荷検査を行っているのです。
価格は1枚10円で、不思議なことにどこの国へ行っても日干しレンガは1枚10円です。
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イエメンの大半の家は日干しレンガで出来ていますが、写真のように平積みにしていくと、自重でレンガ同士が互いに接着して堅牢な建物ができます。
小さな家で1軒あたりレンガ代が15万円分かかるとのこと。後は外側は石灰、内側は石膏のプラスターで仕上げるだけという簡単な工法です。
真夏には45℃にも達すると言うイエメンで、冷房無しに生活するにはこうした建築様式が最適なのです。
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この地方一帯はワディ・ハダラマートと呼ばれ、長さ160kmに及ぶアラビア半島最大のワディ(枯れ川)が形成されています。サユーンはその中心都市です。
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サユーンの中心にアルカシィーリ旧宮殿(現在は博物館)があります。1960年代まではこの地方を支配していたスルタンが王宮として使っていました。
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屋上テラスから見たサユーンの街の中心部です。
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直ぐ隣にはモスクのドームが見えます。
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スークでは乳香、塩(砂漠の塩)、蜂蜜(ここの名産)が売られていました。
私は香料などの人工的な香りに弱く、塩は以前行く先々で購入しましたが味は変らず、甘いものが嫌いなのでハチミツはダメと、買う物がありません。
理髪店がありましたので、写真を撮りました。日本と比べると、随分とシンプルな設備です。
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4WDは全てトヨタのランドクルーザーでした。イエメンで使われている車は圧倒的に日本車ですが、中でもトヨタの割合は突出しています。海外に出かけると、日本の代表的製品が自動車であることを実感します。
ドライバーは皆陽気で、停車すると音楽をかけ踊りを踊っています。時には日本の観光客も強引に、踊りの中に引き込まれて一緒に踊っていました。
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先にも書いたとおり、この辺り一帯は大地が流水で侵食された巨大なワディ(枯れ川又は枯れ谷)になっていて、周囲はグルリとテーブルマウンテン(ロック)に囲まれた形になっています。高さはいずれも200-300m程度ですが、規模は遥かに小さいものの、南米のギニア高地と似た光景を呈しています。
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宿泊したホテル「アルハウタ・パレス」は、まるでオアシスの中に建っているような素朴な佇まいですが、設備は充実しているし、従業員も親切で、とても快適なホテルでした。
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ホテルの敷地内を散歩していると、親子連れが遊んでいたので、カメラに収めました。女の子がお父さんにソックリですね。
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テーブルマウンテンの彼方に夕陽が落ちて、空が茜色に染まります。
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このホテルの屋上に夜上がってみると、降ってくるような満天の星が見えます。久々に天の川を見ることができました。大ききなプラネタリウムの中にいるようで、実に気分爽快でした。
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by kanekatu | 2008-02-08 09:51 | イエメン | Comments(0)

憂きな中にも旅の空


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